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ロバート・プラント アーカイブ

11時の肖像 - ロバート・プラント (1982)

Pictures at Eleven
Pictures at Eleven
 ロバート・プラントの初ソロ・アルバムは、ジミー・ペイジの初ソロ作「Death Wish II」の発表から4ヵ月後に発売されました。参加メンバーは当時プラントが親しくしていたセッション・ミュージシャンを中心にコージー・パウエル(Dr)、後の1985年のライブ・エイドでのツェッペリン再結成ステージにも参加したフィル・コリンズ(Dr)がゲスト参加しています。
 アルバムの内容は基本的に『イン・スルー・ジ・アウト・ドア/レッド・ツェッペリン』(1979) 路線からの延長線上にあるものですが、ジミー・ペイジ独特のギター・サウンドやフレーズ、ジョン・ボーナムの重たいながらも跳ねるドラム、ジョン・ポール・ジョーンズのベース、ストリングス・アレンジ等が無いとこれだけ印象が違ってくるものか、と改めてツェッペリン・サウンドにおける各メンバー間のバランスの良さを認識できるアルバムでした。
 しかし、上記はプラントのアルバムに「レッド・ツェッペリン」を求める眼で見た場合で、単に一人のヴォーカリストのアルバムとして聴いた場合、プラントの趣味が良く反映されていて、収録曲も歴史に残る名曲とまではいかないものの、佳作が多くトータル的に見てかなり良質のアルバムに仕上がっています。セールスも好調で全米5位、全英2位を記録。
 シングル・カットされた"バーニング・ダウン"、"プレッジ・ピン"他収録。(ドラマティックな"スロウ・ダンサー"はなかなかの名曲です。)


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プリンシプル・オブ・モーメンツ - ロバート・プラント (1982)

The Principle of Moments
The Principle of Moments
 1stアルバムに参加したミュージシャンがそのままプラントのバック・バンドとなり、2ndアルバムの制作にも引き続き参加。ドラムフィル・コリンズ、元ジェスロ・タルのバリーモア・バーロウ。前作も同様ですが、ギタリストのロビー・ブラントはジミー・ペイジとは正反対ともいえるぐらい地味で渋いギターを弾いているため、プラントのヴォーカルがより前面に出ています。
 ツェッペリン解散から時を経て、ファンからは一生"元レッド・ツェッペリン"の肩書きは外してもらえないものの、プラント自身はファンの期待とは裏腹にさっさと肩書きを下ろし、自分の好きな音楽をリラックスして作ったアルバムではないかと思います。アルバムも前作以上のセールスを記録しています。このアルバム発表後の1984年に来日公演を行っています。
 シングルヒットした"イン・ザ・ムード"、プログレッシブな"ビッグ・ログ"他収録。


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ザ・ハニードリッパーズ “ヴォリューム1” (1984)

The Honeydrippers, Vol. 1
The Honeydrippers, Vol. 1
 レッド・ツェッペリン解散後、自身が影響を受けた音楽を自ら再現して演奏すべく、ライブ・ハウス等で幾度か演奏を行ったプラントの趣味性の強いバンド"ハニードリッパーズ"。このアルバムは1984年になって企画物のミニ・アルバムとして製作されました。参加メンバーはジミー・ペイジジェフ・ベックナイル・ロジャース他。
 プラントのヴォーカルの色艶、セクシーさはこれまでのツェッペリン、ソロのアルバムの中でも比類すべき物が無いほどです。古きよき時代のR&B、バラードをプラントの名唱で堪能できます。惜しむらくはミニ・アルバムのため5曲のみの収録であることと、やはり"ヴォリューム2"が製作されなかったことでしょう。
 シングル・ヒットした"シー・オブ・ラブ"、"ロッキン・アット・ミッドナイト"他収録。


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シェイクン・アンド・スタード - ロバート・プラント (1985)

Shaken 'N' Stirred
Shaken 'N' Stirred
 1985年発表の3rdアルバム。今回はゲストを迎えずバック・バンドのメンバーのみで制作し、よりツェッペリン色から脱却したサウンド作りをしています。ロバート・プラントもこのアルバムの出来に自信を持っていたのかアルバムから3曲をシングル・カット。しかし、プロモーション・ツアーもこれまで以上に力を入れて行うものの、セールス的には振るわず。
 大胆に当時最先端のサンプリング等の録音技術を取り入れ、前2作とは趣向の違う作品になっていますが、全体的には地味な印象。また、ライブ・エイドでのレッド・ツェッペリン再結成後のアルバムのため、ツェッペリン・ファンが正式な再結成を一番期待していた時期でもあり、ツェッペリン色の希薄なサウンドはファンから受け入れられ難かった、というのは間違いの無いところです。再結成を否定し続け独自の音楽の確立を目指していたプラントとしては、なんともしがたいジレンマを感じるアルバムになったのではないでしょうか。


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ナウ・アンド・ゼン - ロバート・プラント (1988)

Now & Zen
Now & Zen
 前作のセールス的な不振からか、ファンのツェッペリンへの期待感からは逃げられないとでも悟ったかのようなハード・ロック・サウンドを聴かせる1988年発表の4thアルバムジミー・ペイジも"ヘブン・ノウズ"、"トール・クール・ワン"の2曲に参加。特に"トール・クール・ワン"ではツェッペリンの曲をサンプリングして曲中で使用しており、ファンのツェッペリン再結成への期待を更に高めた作品です。セールス的にも好評で全米チャート5位を記録。
 プラントのツェッペリン色からの脱却を目指してきたこれまでの流れからは逆行するものの、作品としてはポップな曲、ハードな曲が適度にちりばめられており、プラントのヴォーカリストとしての魅力が堪能できるアルバムで、個人的には1980年代のプラントのソロ・アルバムの中ではベストだと思います。


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マニック・ネヴァーナ - ロバート・プラント (1990)

Manic Nirvana
Manic Nirvana
 『ナウ・アンド・ゼン』の成功を受けて前作の延長線上のサウンドで制作された5thアルバム(1990年)。前作以上にソリッドなハード・ロックを聴かせますが、改めてツェッペリン再結成を否定するかのように今作ではゲストを迎えず自らのバック・バンドのみでレコーディングされています。しかし、"ユア・マ・セッド・ユー・クライド・イン・ユア・スリープ・ラスト・ナイト"ではレッド・ツェッペリン時代の"ブラック・ドッグ"の歌詞を盛り込むなど、ただ単に遊び心なのか、狙っているのか、はたまたプラントの迷走具合を表しているのか、とファンの気持ちを惑わせ、且つ煽るような仕掛けも入っています。
 このアルバムと前作『ナウ・アンド・ゼン』に関しては、自らのツェッペリン時代を闇雲に否定せず「これぞロバート・プラントの音楽だ」と言い切ってもらっても良かった程のアルバムで、渋い大人のロックを聴かせてくれます。


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フェイト・オブ・ネーションズ - ロバート・プラント (1993)

Fate of Nations
Fate of Nations
 ジミー・ペイジが元ディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァーディル(Vo)と「Ⴋヴァーデイル - ペイジ」を結成しアルバムを発表した1993年にロバート・プラントが発表した6thアラバム。基本的には前作の延長線上にあるサウンドですが、ハードさは多少減り、ツェッペリン時代の"カシミール"を彷彿させる"コーリング・トゥー・ユー"など中近東風サウンドが目立つものの、全体的にはブリティッシュ・ロック。少し抑え気味に歌うロバート・プラントのヴォーカルはセクシーさと貫禄を兼ね備え、そのサウンドは前2作を土台にしてプラントの方向性が確立されつつあったアルバムではないかと思います。ツェッペリン解散後、試行錯誤してきた自らの音楽スタイルの方向性が見えてきたことで、ツェッペリンへの呪縛が吹っ切れたのではないかと思われ、(翌年ペイジとのユニットを結成することになりますが)機が熟した、という風にも感じられるアルバムです。
 レコーディングには元イット・バイツのフランシス・ダナリー(G)、元フェアポート・コンベンションのリチャード・トンプソン(G)などの渋めのミュージシャンが参加。


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ノー・クオーター - ジミー・ペイジ&ロバート・プラント (1994)

No Quarter: Jimmy Page & Robert Plant Unledded
No Quarter: Jimmy Page & Robert Plant Unledded
 1994年、遂に実現したレッド・ツェッペリンの2人のフロントマン、ジミー・ペイジ(G)とロバート・プラント(Vo)のプロジェクト。ロバート・プラントのバック・バンドにロンドン・メトロポリタン・オーケストラエジプシャン・アンサンブルを加えた編成で行われた「MTVアンプラグド」のためのライブ・パフォーマンスを中心に編集されています。新曲4曲に新たにアレンジされたツェッペリン時代の楽曲10曲を収録。(US盤、UK盤では全13曲)
 ドラマティックな展開で圧巻のパフォーマンスを聴かせるツェッペリン時代の代表曲"カシミール"他収録。

 ペイジとプラントのプロジェクトという事に加えレッド・ツェッペリン時代の楽曲を演奏という事になるとファンはどうしてもツェッペリンのハード・ロック・サウンドを期待してしまいますが、期待されすぎたことで損をしているアルバムです。基本的に「MTVアンプラグド」向けの演奏ですし、バンドの編成を見ても分かるように別物として聴くべきアルバムでした。また、実験的な要素も多く、どちらかと言えばプラントの好み及び意向がより強く反映されており、ファンの期待とは裏腹にペイジとプラントによる新しいサウンドの模索といった意味合いの強いサウンドになっています。レッド・ツェッペリンの再結成ではなく、あくまでもペイジとプラントによるプロジェクトであるということを強調したかったのかもしれません。
(但し、アルバム発表後のワールド・ツアーではよりハード・ロック色の強い演奏に変わっており、ツェッペリン・ファンとしては喜ばしいものの、このアルバムでのサウンドはいったいどういう趣向だったのか、と思わせられるところもありました。)


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ウォーキング・イントゥ・クラークスデール - ジミー・ペイジ&ロバート・プラント (1998)

Walking Into Clarksdale
Walking Into Clarksdale
 ワールド・ツアー終了後、ツアーに同行したバック・バンドのメンバーと共に制作された全曲オリジナルのスタジオ録音盤。(1998年発表)
 ワールド・ツアーでは"ノー・クオーター"のサウンドから一転してツェッペリン時代の曲をさらに大幅に導入し、サウンド的にもハード・ロック色の強いパフォーマンスを行ったものの、このアルバムでは再度ハード・ロック色を抑えギター、ヴォーカルともに控えめな演奏となり、アルバム全体のトータル感を重視した内容になっています。新しい音として聴いた場合面白い部分は多々あるのですが、ハード・ロックを期待して聴くと退屈なサウンドかもしれません。しかし、聴けば聴くほど味の出るアルバムでもあり、前作から続くペイジと特にプラントの新しい音への模索はある程度完成の域に近づいていたのではないかとも思えます。

 前作発表の際にも少なからず感じたことですが、ジョン・ポール・ジョーンズの『スクリーム・フォー・ヘルプ』(1985年)、このアルバム『ウォーキング・イントゥ・クラークスデール』の翌年に発表された『ズーマ』(1999年)、『サンダーシーフ』などを聴くと、(バンド名が"レッド・ツェッペリン"でなくとも、また"ツェッペリン・サウンドの再現"でなくても構わないから)ジョーンズがプレイヤー、もしくはプロデュース面で参加していれば『ノー・クォーター』、『ウォーキング・イントゥ・クラークスデール』ともに、ペイジとプラントの新しいサウンドへの欲求とツェッペリン・スタイルのハード・ロックを求めるファンの双方が満足でき、より完成度の高いサウンドに仕上がっていたのではないかとも思われ、ジョーンズの不在は残念でなりません。


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ロバート・プラント / レッド・ツェッペリン&ディープ・パープル [アルバム紹介&試聴]