![]() | Presence Led Zeppelin WEA International 1994-08-16 |
『聖なる館』、『フィジカル・グラフィティ』などのアルバムで多大な貢献をしたジョン・ポール・ジョーンズのバンド内での台頭により徐々に楽曲での使用頻度が高くなっていたシンセサイザー、キーボード、アコースティックを一切排除して初期のようなブルーズ、ロック路線に回帰、ジミー・ペイジ主導で緊張感のあるソリッドなエレクトリック・サウンドを作り上げて後期レッド・ツェッペリンの代表作と評価されるとともに、そのシンプルながら重量感のあるサウンドで特にレッド・ツェッペリンにハード・ロック的なイメージを求めるファンに最も人気のあるアルバムとなったのが本作『プレゼンス』です。
1975年2月から行われたアメリカ・ツアーは大成功を収め、2枚組の大作アルバム『フィジカル・グラフィティ』(1975年)も大ヒットしてレッド・ツェッペリンはその活動期間中で最も収益的にも人気的にもピークを迎えていましたが、8月から行われる同年2度目のアメリカ・ツアーを目前にしてギリシア・ロードス島でロバート・プラントが交通事故を起してしまい、更なるバンドの伝説を創り上げることになる筈だったアメリカ・ツアーを中止。レッド・ツェッペリンは人気絶頂期にも拘らずバンド活動休止に追い込まれてしまいます。
その後、ロバート・プラントの回復を待って曲作りを開始。そして、ツアーの中止などで演奏機会の失われていたメンバーの演奏への欲求を爆発させるかの如く、僅か3週間という短い期間で制作されたのが本作『プレゼンス』です。1曲目の"アキレス最後の戦い"からラストまで、無駄な音を一切排除し、シンプル且つヘヴィーな音の塊を叩きつけたようなサウンドは正にヘヴィー・メタル・サウンド。多彩な音楽性を持つレッド・ツェッペリンのヘヴィーな面を強調した本作が後のヘヴィ・メタル・バンドに与えた影響は『レッド・ツェッペリン II』以上に大きいのではないかと思われます。
しかし、短い制作期間はバンドに緊張感と集中力をもたらしアルバムの出来に好結果を与えましたが、ジミー・ペイジが蓄えたアイディアを再現するためだけに行われたかのような強引なレコーディングは、これまでのロバート・プラントとジョン・ポール・ジョーンズのバンドへの貢献を無視するかのようにジミー・ペイジの完全なるコントロール下で行われ、他のメンバーがアルバムの全体像を把握する事無く終了。ジミー・ペイジにとっては傑作アルバムに仕上がったものの、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズにとっては必ずしもベストのアルバムにはならなかったアルバムでもあります。(ジョン・ボーナムに関しては他のメンバーの思惑に関係なく、ここでも最高のドラムを聴かせてくれます。)
また、決して他の作品に較べて内容的に劣っているわけではないのにも拘らず、セールス的には大ヒットした前作『フィジカル・グラフィティ』のバラエティー豊かな内容に較べるとアルバムを通して単調なサウンドであり、また初の公式ライヴ盤ともなる映画『狂熱のライブ(永遠の詩)』(1976年)のサウンド・トラックと発売時期が重なったこともあり、英米ともにチャート1位は獲得するもののレッド・ツェッペリンにとっては内容の素晴らしさに伴わない最も売れなかった不運のアルバムになっています。
ジョン・ボーナムのドラムを土台にジミー・ペイジがギターを重ね、素晴らしいリフの数々を惜しみなく詰め込んでテンションの高い作品に仕上げた代表曲"アキレス最後の戦い"。ジョン・ボーナムのファンク趣味全開の"ロイヤル・オレルアン"。ヘヴィーなサウンドを聴かせる"俺の罪"、ブルーズ・ナンバー"一人でお茶を"他収録。
(Side A)
1.アキレス最後の戦い
2.フォー・ユア・ライフ
3.ロイヤル・オルレアン
(Side B)
4.俺の罪
5.キャンディ・ストア・ロック
6.何処へ
7.一人でお茶を
Jimmy Page.....g.ジミー・ペイジ
Robert Plant.....vo.ロバート・プラント
John Paul Jones.....b.ジョン・ポール・ジョーンズ
John 'Bonzo' Bonham.....ds.ジョン・ボーナム









