![]() | Stormbringer Deep Purple EMI Int'l 1998-11-10 |
1974年に発表された第3期ディープ・パープル2枚目のアルバム。前作では自分たちのスタイルをディープ・パープルという枠の中で表現しようと務めていたデイヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、グレン・ヒューズ(B,Vo)が、今作では参加2作目ということもあって自らの個性を強くアピールし、バンドのサウンドもファンキーな路線を強め、ヴォーカルのアンサンブルと主とするサウンドに変化。そのためリッチー・ブラックモア(G)のギターも抑え気味となり、バンド内での確執、ファンからの不評、そしてセールスの不振という結果を招いたアルバムです。
前作『紫の炎』(1974年)に比べると今作『嵐の使者』はデイヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、グレン・ヒューズ(B,Vo)の志向とリッチー・ブラックモア(G)の志向がぶつかり合った為か、詰めが甘く思える曲などもあり、全体的に散漫な印象を与える内容になってしまっています。またデイヴィッド・カヴァーデイル、グレン・ヒューズ対リッチー・ブラックモアという構図だけでなく、デイヴィッド・カヴァーデイル対グレン・ヒューズのヴォーカリストの座を巡る争い、メンバー間の不和など、バンド内での感情的な問題が噴出した時期でもあり、これまでのようなバンド一丸となったパワフルな推進力は聴く事は出来ません。
しかし、発売当時のようなディープ・パープルへの思い入れを捨てて一つ一つの曲を聴くと、それまでのディープ・パープルの路線上にある"嵐の使者"、デイヴィッド・カヴァーデイル(Vo)がソリッドな演奏に乗ってワイルドに歌う"嵐の女"、第3期ディープ・パープルのファンキーな路線を推進した"ユー・キャント・ドゥー・イット・ライト"、デイヴィッド・カヴァーデイル、グレン・ヒューズ(B,Vo)のツイン・ヴォーカルの絡みが見事に嵌った"ハイ・ボール・シューター"、そしてデイヴィッド・カヴァーデイルが歌う名バラード"幸運な兵士"など、名曲、佳曲も意外と多く収録されたアルバムではあります。









